スマホで、PCと同等の仕事ができる日がやってきました(Mac mini × Claude Remote Control)

私たちは、1つ1つの挑戦を通して、世界を変えることができると信じています。だから会社そのものを、思いついたことをその場で形にする「発明工房」にしたいと思っています。
その工房が、また1つ進化しました。Mac mini × Claude Remote Control です。
挑戦の回数を決めていたのは、PCの前に座れる時間だった
新しいことを試すとき、いちばん重いのは技術ではありませんでした。着手するまでです。
何かを思いつく瞬間、私はたいていPCの前にいません。移動中だったり、打ち合わせの合間だったり、寝る前のソファだったりします。そこで浮かんだことは「あとでPCを開いたときにやろう」となり、その多くは実際には着手されないまま消えていきました。
つまり、挑戦の回数の上限を決めていたのは、アイデアの量でも能力でもなく、PCの前に座れる時間でした。今回変わったのは、そこです。
何が変わったのか
以前にも、サーバー(VPS)上の Claude Code を Remote Control でスマホから操作する話を書きました(Claude Code活用 #5 スマホに Claude Code がやってきた)。あのときは「1つの環境に、外からつなげる」段階でした。
今は、AI専用に置いた Mac mini の上で、複数のプロジェクトにそれぞれ Remote Control を持たせています。この差が、体感を大きく変えました。
| 以前 | 今 | |
|---|---|---|
| つなぎ先 | 1つの環境 | プロジェクトごとに複数 |
| できること | 動いているセッションの続きを見る | 新しい仕事をその場で立ち上げる/続きをやる |
| 扱える範囲 | サーバー上でできること | 手元のPCとほぼ同じ(社内システム・会計・GitHub・調べ物) |
| 始める場所 | PCの前 | どこでも |
ポイントは「スマホでも見られる」ではありません。仕事を始める場所が、PCの前でなくなったことです。

手のひらから動いた仕事
実際にスマホだけで動かした仕事を挙げます。特別なものは1つもなく、どれも普段PCでやっていることです。
| やったこと | 中身 |
|---|---|
| 新しい仕事を立ち上げる | 別の案件のプロジェクトに Remote Control を追加し、その場で作業を始めた |
| コードレビュー | テストケースをレビューし、GitHub のプルリクエストにコメントとして残した |
| 毎週の集計 | 定例で出している2種類の集計を、スキルを呼ぶだけで出した |
| 調べ物の続き | PCで始めた商標の調査を、そのまま引き継いだ |
| 仕事以外のこと | 自宅マンションの大規模修繕で、業者探しと見積もりの読み解きを進めた |
新しい仕事を、その場で立ち上げる
仕事の進み方が一番変わったのは、これでした。
スマホで作業しているときに「そういえば別の案件でやりたいことがあった」と思い出し、そのままスマホから「このプロジェクトでも Remote Control を起動して」と頼みました。2分後には、スマホの一覧に新しいプロジェクトが増えていました。私が打ったのは1行です。
これまでなら「帰ったらやろう」で終わっていた思いつきが、思い出したその場で動き出します。

レビューを頼んで、GitHub に残すところまで
外注メンバーが作ったテストケースのレビューを、スマホから頼みました。
やってくれたのは、プルリクエストの差分・仕様書・Issue の3つを突き合わせて、抜けている観点を洗い出すことです。指摘は7件返ってきました。そのうえで、レビュー結果をプルリクエストのコメントとして GitHub に投稿するところまでやってもらいました。「AIが読んで終わり」ではなく、チームが見る場所に残ります。
面白かったのは、その先です。指摘の1件に対して私が「これはまだ開発環境に反映していないからOK。覚えておいて」と返したところ、その判断がレビュー用のルールとメモに書き足されました。次回から同じ指摘は出てきません。 移動中の一言が、チームのルールとして残ったことになります。

定例の集計も、調べ物の続きも
毎週まとめている2種類の集計は、スキルを呼ぶだけなので、スマホからでもPCからでも同じです。依頼して、返ってきた結果を確認して、Slack に貼る。ここは完全に「PCと同じ」になりました。
調べ物も同じです。PCで自社サービス名の商標を調べていた続きを、スマホで再開しました。「41類とか35類って何?」という素朴な質問にも、その場で答えが返ってきます。PCで始めて、スマホで続けて、またPCに戻る。 この行き来に、切れ目がなくなりました。
仕事以外のことも、同じように進んだ
これは会社の仕事ではないのですが、いちばん驚いた例なので書いておきます。
自宅マンションの大規模修繕です。管理会社経由の見積もりが高く、自分たちでも業者を探したいという話が出ていました。そこで、近隣で該当する建設業許可を持つ会社を洗い出し、国土交通省のデータベースで許可番号を1社ずつ照合し、過去のネガティブ情報まで調べたうえで、比較できる一覧表にしてもらいました。手元の見積書や資料も読み込ませています。
これは明らかに「PC作業」でした。 それが、スマホから頼めるようになりました。会社の仕事も、暮らしの中の面倒ごとも、同じ道具で片付くようになったということです。
正直に、うまくいかなかったところ
良かった話だけ書くとフェアではないので、実際に困ったところも書きます。
画面が狭い。 表を返されるとスマホでは折り返して崩れます。私が「なんか画面が狭いけど、なんとかならない?」と伝えたところ、以降は表を使わず短い行で返す・長い資料は読みやすいページにして渡す、という形に切り替わりました。出力の形を相手に合わせてもらえば済む話でしたが、最初から快適だったわけではありません。
音声入力は誤変換する。 移動中は音声で頼むことが多いのですが、「Issue」が「異種」に、「プルリク」が「プルリック」になったりします。それでも意図は通じて作業は進みました。とはいえ、固有名詞や数字を含む指示は、後で確認したほうが安全です。
承認は自分で押す。 ツールの実行許可はスマホ側で承認します。ここは自動化していません。後戻りできない操作を勝手に進めさせないための線なので、意図的に残しています。
なぜ Mac mini なのか
サーバー(VPS)ではなく Mac mini を選んだ理由は、実務上の制約です。
会計ソフトのように、サーバーのIPからだとアクセス自体を弾かれるサービスがあります。ブラウザを本物の画面で動かす必要がある作業もあります。手元のPCと同じ環境をそのまま常駐させておきたい、という要件でした。詳しくはAI専用のMac miniを1台置きましたに書いています。
置いてあるのは、机の隅に1台だけです。それが電源につながったまま、24時間動き続けています。
一番言いたいこと
便利になった、という話ではありません。
これまで「あとでやろう」と先送りして、そのまま消えていた思いつきが、その場で動き出すようになりました。挑戦の回数が、物理的に増えました。 私にとっての革新はここです。
仕事のやり方は、自分たちで変えられます。そしてテクノロジーは、そのための一番強い手段だと思っています。だから Blue Leaf では、まず自分の会社で全部試して、うまくいったものだけをお客様にお持ちしています。
「うちのあの作業も、外出先から回せないだろうか」「AIに任せられる仕事がどこにあるか、そもそも分からない」——そう感じた方は、お気軽にご相談ください。1つ1つの挑戦を通して、世界を変えることができると信じています。
