Claude CodeでChatGPTのモデルを使う──OpenAI公式プラグインの安全確認と導入手順

OpenAIが、Claude Code用のプラグイン openai/codex-plugin-cc を公開しています。これを入れると、Claude Codeのセッションの中から Codex(ChatGPTのモデルを積んだコーディング用エージェント)をスラッシュコマンドとサブエージェントとして呼び出せるようになります。競合関係にあるツールの中で、自社のモデルを動かせるようにする配布物です。
実際に導入して使ってみたので、この記事では 入れる前に確認したセキュリティ、導入手順、使って分かった得意・不得意 を、確認できた事実の範囲でまとめます。
何が嬉しいのか?
このプラグインで本当に効くのは、コマンドが増えることそのものではありません。Claude Codeというハーネスをそのまま使いながら、別の会社のモデルを呼び出せるようになることです。
普段どおりのUIで、普段どおりの操作のまま、投げる先だけが変わります。別のツールを立ち上げ直す必要も、いま扱っている文脈を別のウィンドウに貼り直す必要もありません。1つのタスクの中でモデルを切り替えるコストが下がるので、使い分けが現実的な選択肢になります。
そして、モデルが変われば設計も学習のもとになったデータも違います。同じコードを見せても、同じ指摘が返ってくるとは限りません。片方が問題なしと判断したコードに、もう片方が別の観点から指摘を入れる、ということが起こり得ます。レビューのように「見落としを減らしたい」作業では、この観点の違いがそのまま価値になります。
もうひとつが、サブエージェントとして呼び出せることです。
Codexは codex コマンドとして直接叩くこともできます。codex exec をそのまま実行すると毎回新しいセッションになりますが、codex exec resume --last を使えばCodex側のセッションを継続できます。実際に試したところ、前のプロセスで伝えた合言葉と番号をそのまま覚えていました。
ただし、これで繋がるのはCodex自身の記憶です。Claude Code側が把握している文脈——いまどのファイルを触っていて、何が問題になっているのか——は渡りません。渡そうとすれば、毎回プロンプトに書き起こすことになります。
プラグイン経由なら codex:codex-rescue がClaude Codeのサブエージェントとして立ち上がるので、いまClaude Codeが持っている文脈を、そのまま委任に持ち込めます。さらに SendMessage で追加の指示を送れば、同じセッションのまま2つ3つと作業を連ねていけます。実際に追加の指示を送ったところ、レスポンスに resumed from transcript in the background と明記されており、前回のやり取りを保ったまま再開していることを確認できました。前回の内容を繰り返さず、聞いた差分だけが返ってきます。
※
codex exec resumeの--lastは「直近1件」を指すので、複数の作業を並行して回すと取り違えます。またこのresumeサブコマンドには--sandboxオプションが無く、親コマンドと同じ引数をそのまま渡すとエラーになります。
作業の性質に応じてモデルを選び、必要なら両方に同じものを見せる。モデルの使い分けを、作業環境を変えずに自由にできる。この仕組みの本体はここだと考えています。
※ ハーネスとは、モデルそのものではなく、その周りの作り込みを指す言葉です。ツールの呼び出し方、サブエージェントへの仕事の配り方、UIや操作の設計などがこれにあたります。同じモデルを使っても、ハーネスの作り込み次第で実際の使い勝手は変わります。
このプラグインで何ができるか
インストールすると、Claude Codeに次のスラッシュコマンドが追加されます。
| コマンド | できること |
|---|---|
/codex:review |
現在の変更内容にCodexのコードレビューをかける(読み取り専用。コードは書き換えません) |
/codex:adversarial-review |
観点を指定できる、より厳しいレビュー |
/codex:rescue <指示> |
自由な指示でCodexに作業を委任する |
/codex:transfer |
作業中のセッションをCodex本体に引き継ぐ |
/codex:status /codex:result /codex:cancel |
バックグラウンドジョブの進捗確認・結果取得・中止 |
加えて /agents に codex:codex-rescue というサブエージェントが現れます。通常のサブエージェントと同じ流儀で扱えるので、Agent(subagent_type: "codex:codex-rescue") として呼び出したり、SendMessage で追加の指示を送ったりできます。
入れる前に確認したこと
プラグインは、入れた時点からセッションの開始時・終了時に自動で処理が走ります。中身を読まずに入れるのは、何が動いているか分からないものを開発環境に常駐させることと同じです。そこで、次の3点をClaude Code自身に調べてもらいました。
1. 配布元が本物か
- GitHubの
openai組織が認証済み組織であること(gh api orgs/openaiのis_verifiedがtrue) - リポジトリが
openai/codex-plugin-cc、ライセンスは Apache-2.0、2026年3月30日公開であること - コミット履歴が、OpenAIのドメインのメールアドレスを持つアカウントによるものであること
なお、README には「official(公式)」という自称の文言はありません。この記事で「OpenAI公式」と書いているのは、OpenAIの認証済み組織アカウントから配布されているという事実に基づく判断です。
2. 自動で走る処理が安全か
プラグインが登録する hooks(セッション開始時・終了時に自動実行される処理)の定義ファイルを開いて、中身を読みました。書かれていたのはセッションIDの記録と、バックグラウンドジョブの後始末だけで、外部へ情報を送信する処理はありませんでした。
3. 危険な機能が既定で有効になっていないか
作業の停止時にレビューを差し込むStopフックが用意されていますが、既定では無効で、使う側が明示的に有効化するオプトイン方式でした。
3点とも問題がなかったので、そのまま導入しました。SNS経由で流れてくる手順ほど、配布元と、自動で走る処理の中身。この2つだけは入れる前に自分で確かめることをおすすめします。ファイルを読むところはAIに任せられるので、手間はほとんどかかりません。
導入手順
前提
公式リポジトリに書かれている必要条件は2つだけです。
- ChatGPTのアカウント、またはOpenAIのAPIキー。ChatGPTは無料プランでも使えます(利用した分はCodex側の利用上限に計上されます)
- Node.js 18.18 以降
Codex CLI 本体は、後述の /codex:setup が導入済みかどうかを確認してくれます。入っていなければその場でインストールを提案してくれるので、事前に用意しておく必要はありません。自分で入れる場合は npm install -g @openai/codex です。
手順
Claude Codeのプロンプトで、上から順に実行します。
/plugin marketplace add openai/codex-plugin-cc
/plugin install codex@openai-codex
/reload-plugins
/codex:setup
/codex:setup が、Codexを使える状態かどうかを教えてくれます。まだログインしていない場合は !codex login でログインします。
ユーザースコープでインストールすると、以後は全プロジェクトで追加設定なしに使えます。有効化の状態は ~/.claude/settings.json の enabledPlugins に codex@openai-codex として記録されます。プロジェクト側の .claude/settings.json ではないので、有効にならないときはこちらを確認してください。
使って分かったこと
モデルを指定できるが、CLIのバージョンに引きずられる
--model gpt-5.6-sol のようにモデルを指定できます。ただし手元のCodex CLIのバージョンが古いと、指定できるモデルの一覧にそもそも出てきません。codex debug models でカタログを確認し、足りなければ codex update で更新してから使う、という順序になります。
利用枠がClaude Codeとは別会計になる
Codexの利用は、READMEに書かれているとおりCodex側の利用上限に計上されます。Claude Code側のクレジットとは別会計なので、片方の枠が詰まっていても、もう片方で作業を進められます。使えるモデルが増えるという以上に、実務ではこちらの効果が大きいです。
ただし、残量を確認するCLIコマンドは見つかっていません。対話セッション中の /status か、Codexの使用状況画面で見ることになります。枠の小さいプランを使っている場合は、事前に確認しておくのが無難です。
サンドボックスから外部ネットワークに出られなかった
これが最大の制約でした。自社サイトの内容を調べてもらおうとしたところ、Could not resolve host: blue-leaf.co で失敗しました。2回試して2回とも同じ理由です。
1回目は要約らしきものが返ってきたのですが、Codex自身が「ライブでサイトを取得したのではなく、キャッシュ済みの公開HTMLから要約した」と断り書きを付けていました。実際、ブログ一覧のような未取得の部分は欠けていました。
Web越しの最新情報の収集には向かないので、ローカルのコードやリポジトリを触る作業に用途を寄せるのが前提になります。
※ サンドボックスの設定でネットワークを通せるかどうかは検証していません。ここに書いたのは「既定のまま使ったら外に出られなかった」という実測で、回避策の有無は未確認です。
まとめ
- OpenAIの認証済み組織から配布されているプラグインで、Claude Codeを使い続けたまま、ChatGPTのモデルを選択肢に加えられます
- 利用枠がClaude Code側と別会計になるため、実際に動かせる作業量が増えます
- サブエージェントとして呼べるので、Claude Code側の文脈を持ち込んだまま、同じセッションで作業を連ねられます
- 既定のままではサンドボックスから外部ネットワークに出られなかったので、用途はローカル作業に寄せています(設定で回避できるかは未検証)
- プラグインは入れた時点から自動で処理が走ります。配布元と、自動実行される処理の中身は、入れる前に自分で確認してください
新しいモデルが出るたびに使うツールごと乗り換えるのではなく、使い慣れた環境はそのままに、呼び出せるモデルの選択肢を増やす。整備の仕方として、この方向は実務で効きます。

