お名前.comをやめました──DNSの追加を「AIに全部任せる」ためにCloudflareへ寄せた

お名前.comをやめました──DNSの追加を「AIに全部任せる」ためにCloudflareへ寄せた

Blue Leafでは、お客様ごとの「営業デモ用AIチャット」を作って公開する、というのを継続的にやっています。作るのは楽しいのですが、地味に効いてくるのが公開のたびの手作業、とくにDNSの設定でした。

公開まわりの作業も、できるだけAI(Claude Code)に任せたい。ところが、お名前.comの管理画面は人がクリックして進める手作業で、スクリプトにもAIにも渡しようがありません。そこでDNSをお名前.comからCloudflareに寄せて、公開のたびの作業を丸ごと自動化しました。結果、サブドメインを1本増やす作業は「DNS 1行+設定1枚+reload」で終わるようになりました。その話を書きます。

何が手間だったか

デモを1つ公開するたびに、だいたいこういう手作業がありました。

  • ドメイン管理画面(お名前.com)にログインして、Aレコードを1件追加する
  • 反映を待って、SSL証明書を取得する(Let's Encrypt)
  • Webサーバーの設定を書いて、証明書を紐付けて、再読み込みする

1回なら数十分です。でもデモを量産していると、これが毎回積み重なります。しかも管理画面のポチポチは手順を忘れやすく、証明書には期限管理もついて回る。何より、この作業は全部が管理画面上の手作業なので、AIに任せようにも渡しようがありません。「作る」ことより「公開すること」のほうが面倒、という状態になっていました。

DNSをCloudflareに寄せた

そこで、ドメインのDNSをCloudflareに委任しました(ネームサーバーをCloudflareに向けるだけです)。これで何が変わったかを、3つに分けて書きます。

① DNSレコードがAPIで足せる

サブドメインのAレコード追加が、管理画面ではなくAPI(curl)1回で済みます。しかも「すでにあれば作らない」と冪等に書けるので、スクリプトから安全に呼べます。

curl -s -X POST "https://api.cloudflare.com/client/v4/zones/$ZONE/dns_records" \
  -H "Authorization: Bearer $TOKEN" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  --data '{"type":"A","name":"demo01","content":"<サーバーIP>","proxied":true,"ttl":1}'

「管理画面にログインして、フォームに入力して、保存して……」の一連が、この1行に置き換わりました。

② 証明書を使い回せる

CloudflareのOrigin証明書は、ワイルドカード(*.example.com)で発行できて、有効期限も長い(15年)。一度用意しておけば、2個目以降のサブドメインは証明書の作業がゼロになります。都度Let's Encryptを取って期限を気にする、という運用から解放されました。

通信はCloudflareが前段でTLSを終端し、サーバーへはこの証明書で中継します(Full strict)。

③ 既存を止めずに増やせる

新しいサブドメインを足すのは、Webサーバーに設定を1枚追加して「reload(再読み込み)」するだけです。設定にミスがあれば reload 側が弾いてくれるので、すでに公開中のサービスは止まりません。無停止で1本ずつ増やせます。

ビフォー・アフター

Before(お名前.com手動) After(Cloudflare API)
DNS追加 管理画面でポチポチ入力 API 1行(冪等)
証明書 都度取得・期限管理 ワイルドカードを使い回し(2個目以降ゼロ)
反映 手順を思い出しながら スクリプトで毎回同じ
既存への影響 気を使う 設定1枚+reloadで無停止

結果として、サブドメインを1本増やす作業は「DNS 1行+設定1枚+reload」になりました。

いちばん効いたのは「試す回数が増える」こと

速くなった・ミスが減った、はもちろんですが、いちばん効いたのは心理面でした。公開の手間が小さいと、「とりあえず出してみる」のハードルが下がります。デモを量産して営業に回す、という動き方とは特に相性がよく、手を動かす回数そのものが増えました

「作る」ところは注目されがちですが、作ったものを公開・運用する手間を仕組みで潰しておくと、試行回数が増えて全体が速くなります。Cloudflareは設定が丸ごとAPIで動くので、この公開手順ごとAI(Claude Code)に渡して、ひとつの「型」にできました。次のデモからは、同じ手順をAIがそのまま実行します。お名前.comをやめた一番の理由は、ここをAIに任せられるかどうかでした。

Blue Leafでは、AIを使った業務効率化そのものだけでなく、それを「すぐ出せる・止めずに増やせる」状態にする周辺の自動化までまとめて設計しています。同じような「量産と運用の仕組み化」に興味がある方は、お気軽にご相談ください。

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