Claude Code活用 #17 手順化していない“1回きりの仕事”ほど、AIに任せられる

この連載では、見積もりや定型メールのような「あらかじめ形の決まった仕事」をAIに任せる話を何度か紹介してきました。今回はそれとは少し違う、予定になかった単発の仕事――しかも一度きりで、わざわざ手順化するほどでもないタスクを、Claude Codeがそのままこなした話です。
ある日とどいた、1回きりの依頼メール
きっかけは、取引のある金融機関の担当者から届いた1通のメールでした。会社の融資(運転資金)の審査を進めるにあたって、「いくつか必要な書類を送ってほしい」という依頼です。求められたのは、契約書・請求書・覚書・登記簿謄本といった、審査でよくある数点の書類でした。
この手の仕事は、地味に面倒です。
- メールを読んで、結局どの書類が何点いるのかを正確に拾う
- その書類が自社のどこに保管されているかを思い出す(クラウドの奥のフォルダにあることが多い)
- 集めて、丁寧な文面で返信する
一つひとつは難しくありません。ですが「久しぶりに来た・一度きり・でも相手は金融機関」という組み合わせは、地味に神経を使います。そして、こういう単発タスクはスキル(手順)として作り込むほどでもない。だからこそ、その場でAIがさばけるかどうかが効いてきます。
AIがやったこと
Claude Codeに「この件、対応して」と渡したときの流れは、おおよそこうでした。
- Gmail から担当者のメールを読み、依頼された書類を箇条書きに整理する
- 各書類が Google Drive のどこにあるか を特定して、該当ファイルを取り出す
- 書類の背景(たとえば、なぜその覚書があるのか)を先方に説明できる形で整理する
- お礼と書類の内容を添えた返信の下書きを組み立てる
- 私が内容を確認し、送信は自分の手で行う
私がやったのは、出てきた下書きに目を通して「これでいこう」と言っただけです。メールを読み解いて、必要な書類をクラウドから拾い集めるという、いちばん手間のかかる部分をAIが通してくれました。
効いたのは「メールとドライブがつながっている」こと
これができた土台は2つあります。
ひとつは、Gmail と Google Drive がMCP経由でAIの手元につながっていること。メールを読むのも、ドライブから書類を探して取り出すのも、私が画面を行き来して手でやる必要がありません。「メールを読む → 該当書類をドライブから探す」を、AIがひと続きの作業として実行できます。
もうひとつが、今回いちばん大きかった点です。
もうひとつの土台は「資料の置き場所を覚えている」こと
Blue Leaf では、業務でよく触る資料について、「何が・ドライブのどのフォルダにあるか」をAIの記憶(メモ)として残しています。たとえばこんな具合です。
契約・覚書のたぐい → gdrive:(会社フォルダ)/契約関係/…
不動産の登記簿謄本 → gdrive:(不動産フォルダ)/(物件)/登記完了後/…
(※ 実際のパスは伏せています)
この「置き場所の地図」があるので、AIは書類を探して社内をさまよう必要がありません。依頼メールの品目と地図を突き合わせて、一直線に該当ファイルへたどり着けます。しかも今回のように新しく調べた資料の在り処は、次回のためにそのまま記憶へ書き足されていきます。使うほど地図が詳しくなり、次の突発タスクがさらに速くなる、という積み上がり方をします。
単発の仕事こそ、日々の「下ごしらえ」が効く
定型業務を自動化する話はイメージしやすいと思います。ですが実際に助かるのは、予定していなかった単発の仕事を、慌てずにその場でさばけたときだったりします。
- メールを読んで、必要なものを正確に拾う
- それが社内のどこにあるかを、AIが知っている
- 集めて、返信の下書きまで用意してくれる
- 最終確認と送信は、自分の手元に残す
今回の融資書類の件は、手順化していない一度きりのタスクでした。それでも滞りなく進んだのは、Gmail・ドライブの連携と、「資料の地図」という日々の下ごしらえがあったからです。派手な自動化ではありませんが、こういう「いざというときに効く準備」こそ、AIを実務で使ううえで地味に大きいと感じています。
Blue Leaf では、こうした「メール・ドライブ・社内資料をAIの手元につないでおく」実践を積み重ねています。何を任せて、何を自分の手元に残すか。その設計まで含めてご相談いただければと思います。

