Claude Code活用 #6 毎年の単価資料の手入力をやめて、構造化から相場分析まで

Claude Code活用 #6 毎年の単価資料の手入力をやめて、構造化から相場分析まで

毎年やってくる、地味だけれど確実に時間を奪う作業があります。

それは、毎年買い替えている市販の単価資料から、必要な項目を手作業でExcelに書き写す作業です。数百行を一行ずつ転記して、ようやく「使えるデータ」になる。そんな作業が、毎年続いていました。

今回は、この毎年の手作業を Claude Code でどう変えたか、そして転記の自動化の先に「分析できる」という思いがけない価値が生まれた話を紹介します。

毎年の「単価資料の手入力」という作業

私たちは、ある大規模修繕の見積業務に関わっています。見積の精度を上げるうえで欠かせないのが、「相場(標準的な単価)の裏取り」です。

自社の見積実績データだけを見ていると、ある項目の単価が高いのか安いのか、その金額が妥当なのかを判断しきれません。そこで、世の中の標準的な相場が載っている市販の単価資料を、突き合わせの「ものさし」として毎年参照しています。

ただ、その資料は紙の本です。中身を分析に使うには、必要な項目を自分でデータ化しなければなりません。そこで毎年発生していたのが、冒頭の「手入力」でした。

手作業のつらさ

手作業での転記には、地味につらいポイントがいくつもありました。

  • とにかく時間がかかる:必要な箇所だけでも数百行。一行ずつ目で追って打ち込むので、まとまった時間が溶けていきます。
  • 転記ミスが入る:数字の打ち間違い、行のズレ。あとの分析がすべてその数字に乗るので、地味に怖い作業です。
  • 整形そのものに判断がいる:表によっては「同上」を意味する記号で省略されていたり、複数の区分が混ざっていたりします。機械的にコピーするだけでは済まず、いちいち考えながら整える必要がありました。
  • 分析まで手が回らない:転記で力尽きてしまい、本当はやりたかった「データを使った検証」までたどり着けない年もありました。

要するに、「準備(転記)」だけで疲れて、「本番(分析)」に進めない。これが一番の問題でした。

Claude Code に任せたら、転記が「構造化」に変わった

ここを Claude Code に任せたところ、作業の性質そのものが変わりました。単なる「書き写し」ではなく、「構造化(使える形に整える)」として一気通貫で進められるようになったのです。

ポイントは3つあります。

① 判断を伴う整形まで任せられる

前述のとおり、資料の整形には「同上記号を実際の値に展開する」「材料費と施工費が込みになっている区分だけを拾う」といった、ちょっとした判断が必要です。こうした「単純コピーでは済まない整形」を、ルールを伝えれば Claude Code が一貫して処理してくれます。人間が一行ずつ気をつけながらやっていた部分を、まるごと預けられました。

② 「項目をどう分解するか」を一緒に設計できる

分析の質は、「データをどんな項目(切り口)に分解するか」でほぼ決まります。たとえば同じ工事でも、「面積あたりの単価」で語れるものと、「いくつかの要素を掛け合わせた式」で動くものがあります。

この切り口の設計を、Claude Code と壁打ちしながら詰められたのが大きな収穫でした。「この項目は何で値段が変わるのか?」をAIと相談しながら、分析しやすい形に整えていけます。手作業時代は、転記で精一杯でここまで考える余裕はありませんでした。

③ 整えたデータを、自社の実績とすぐ突き合わせられる

データが構造化されていれば、あとは早いです。整えた相場データを、自社の見積実績データと並べて突き合わせる。ここまでがスムーズにつながりました。

自動化の先にあった「分析できる」という価値

正直に言うと、当初の目的は「毎年の手入力をなくしたい」だけでした。ところが、構造化されたデータが手に入ると、手作業時代にはできなかった分析に踏み込めるようになりました。

たとえば、こんなことができるようになりました。

  • ばらつきの大きい項目を見つける:同じ項目でも金額の振れ幅が大きいものを数値的に把握し、極端な外れ値を除いて「素直な相場」を見る。
  • 項目の性質を切り分ける:「単価で語れる項目」と「式(複数要素の掛け合わせ)で語るべき項目」を分けて整理する。
  • 標準単価の妥当性を検証する:自社の見積が相場から外れていないか、項目ごとにチェックする。

つまり、「転記の自動化」で浮いた時間を、そのまま「分析・精度向上」に回せたのです。AIの効果は「作業が速くなる」だけではありませんでした。今までたどり着けなかった一段深いところに、手が届くようになる。これが今回いちばんの発見でした。

市販資料を扱うときに気をつけていること

便利になったからこそ、ひとつ大事にしている線引きがあります。それは、市販資料の扱いには著作権・利用規約にきちんと配慮するということです。

具体的には、

  • 資料の数値や表そのものを、そのまま転載・再配布したりはしない
  • あくまで社内での参照・検証の範囲で使う。
  • 必要に応じて、提供元が用意しているデータ利用の正規の手段を検討する。

AIを使うと「何でも一瞬でデータ化できる」状態になりますが、できることと、やっていいことは別です。効率化を進めるときこそ、こうした線引きを丁寧にしておくのが、結局はいちばんの安心につながると考えています。

まとめ

毎年の「単価資料の手入力」を Claude Code に任せたら、単なる転記の自動化にとどまらず、準備に消えていた時間を分析に回せるようになりました。

  • 判断を伴う整形まで任せられる
  • 「どんな切り口に分解するか」を一緒に設計できる
  • 浮いた時間で、手作業ではできなかった分析に踏み込める

「毎年やっている、あの地味な手作業」は、AIで置き換えられる候補の宝庫です。Blue Leaf では、こうした繰り返しの手作業の自動化や、データを使った業務改善のご相談をお受けしています。「うちのあの作業、AIで楽にならない?」と気になった方は、ぜひお気軽にご相談ください。

前回の記事「Claude Code活用 #5 スマホに Claude Code がやってきた──ポケットの中で動く開発環境」もあわせてどうぞ。

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