
概要
工場の自動化などに使われる機器を扱う技術商社さま向けに、お客様からの一次問い合わせにAIが一次対応する「AIチャット窓口」を開発しました。営業デモ(PoC)として、実際のデータで動作する形まで構築しています。
「廃番部品の代替はあるか」「この機器は対応電圧内で使えるか」「この型式の在庫はあるか」といった、日々数多く寄せられる一次問い合わせを、AIが裏取り済みの情報から回答します。
課題
技術商社は取扱メーカー・型式が膨大で、代替品・対応電圧・在庫の確認といった一次問い合わせが毎日多数発生していました。一件ごとは数分でも、積み重なると営業・サポートの時間を圧迫します。さらに社内でも、担当者が自社の全取扱商品を把握しきれない、メーカーをまたいだ製品比較がしづらい、情報が社内のExcelに散在していて探すのが手間、という事情があり、対応が一部の詳しい人に集中する属人化が課題でした。
解決策
検証済みのQ&Aと型式データだけを情報源に、AIが一次問い合わせへ回答するチャット窓口を構築しました。メーカーを横断して代替品(同一メーカーの後継機と、他メーカーの同等品)を提案し、完全互換か注意点付きの代替かを区別します。手元に無い価格・在庫数は、正直に「担当者が確認します」と返す設計です。同じ仕組みを、お客様向けのセルフサービスとしても、社員向けの社内ナレッジ検索としても利用できます。
主な機能
- メーカー横断の代替品提案(後継機/他社同等品、互換性の区別)
- 対応電圧・仕様・入出力信号などの一次確認
- 型式・在庫リストの検索
- 会話の中で要件を確認しながら候補を絞り込み(曖昧なまま型式を断定しない)
技術構成
AIモデルには Claude を採用。参照する情報源(検証済みQ&A・型式データ)をAIが検索して回答するツール連携(tool use)方式で構築し、回答を裏取り済みの情報源に限定して、自由生成による作り話を抑制しています。本番公開時はクラウドを前段に置いてTLSを終端し、アクセス制限をかけた環境で動作します。
開発ポイント(嘘をつかせない設計)
デモAIの最大のリスクは、間違いよりも「それっぽい嘘」です。手元に無い在庫数や価格を、AIが自信たっぷりに作り話してしまう事故が起こり得ます。そこで、わざとAIを壊しにいく検証質問を多数用意し、作り話・誤った思い込み・断定の誘発といったパターンを一つずつ潰しました。ダミーの数値はデータから排除し、「無いものは無い」と言い切れる状態に。お客様の前でも崩れない品質に仕上げています。
導入効果(期待効果)
一次問い合わせをAIが受けることで、営業・サポートは確度の高い相談や難しい案件に集中できます。社内でも、Excelを目で追わずに候補を引ける社内ナレッジ検索として機能し、新任担当者の立ち上がりも早くなります。なお、価格・在庫数の実データ連携(販売管理システムとの連携)は、次フェーズの拡張として設計済みです。
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